運動方針

全国革新懇第27回総会・運動方針
2007年5月12日
  1、革新懇運動――この一年をふりかえって
希望ある日本をめざし、前進の勢いが生まれている

 革新懇運動はこの一年、日本と世界の情勢の新たな展開と結び、意欲的な努力をおこなっています。
 なかでも特筆すべきことは、「全国民的な大運動」として広がる憲法改悪反対運動を革新懇が地域や職場で支えるとともに、各界各層との共同を発展させていることです。「9条の会」を引き続き草の根につくり(6000を突破)前進させているのを始め、駅頭、繁華街、工場門前での宣伝活動、戸別訪問や対話による署名活動、集会とパレ−ド、学習講演会、宣伝物の普及などとりくみが独自にも日夜続けられています。
 9条改憲の条件づくりである改憲手続き法案のくわだてにたいしても、「憲法のぼり」1千枚、「ステッカー」1万3千枚を各地の「9条の会」や賛同団体、読者とともに短期間に運用し、反対世論を急速に広げています。同法案の国民的論議を呼びかける全国革新懇アピールには社会的影響力をもつ文化人・学者56氏が賛同し、反対運動を大きく励ましました。同賛同者には「全国革新懇ニュース」への登場をきっかけに、「国政の一点から他の課題でも共同へ」と進んだ人が少なくありません。27回総会
 また、戦後日本の教育の指針となってきた教育基本法を破壊するくわだてに対して、同基本法の値打ちや教育の今日的課題を学ぶ学習講演会や宣伝活動が各地でおこなわれています。深刻化する貧困と格差問題でも、貯蓄ゼロ世帯や国民健康保険証とりあげ問題の広がりをシンポジウムで明らかにし、格差社会を是正する政治革新の必要性を浮き彫りにしています。市立病院統廃合・移転など身近な問題で無党派や保守の人々とつどいを開き、「住民の要求から接近すれば党派を超えて革新の共同が広がる」との貴重な教訓も生まれています。  こうした数々の奮闘は過去最高の参加者760人を集めた地域革新懇・職場革新懇全国交流会(06年11月、岡山市)の成功に結びついています。革新懇運動の役割をつかむ学習会や「革新懇学校」の各地での開催も、自治体レベルに加えた学校区での地域革新懇、複数自治体や私鉄沿線の労働者を対象にした職場革新懇の誕生など、条件に適応した、より発展をめざす多様な革新懇づくりを促しています(現在の結成数は地域595、職場158、青年6の合計759)。
 「全国革新懇ニュース」の読者は無党派の人々、保守系市議、無所属県議などに広がり、購読数が前総会時比693部増の2万3388部(過去最高)に達しています。
これら最近一年間の積極的な変化、前進の勢いは、革新懇運動が奮闘次第で前進できる条件を有していることをしめしています。このことに確信をもって、「国民が主人公」の民主連合政府と国民的共同の実現という大目標に向けて、いっそうの発展をかちとろうではありませんか。

2、情勢の特徴と革新懇運動の課題
(1)歴史を前に進めることを願うすべての勢力と対話し、国政革新の共同を飛躍させよう

 ○安倍首相は「戦後レジ−ム(体制)からの脱却」を掲げ、自民党は参院選に向けて同キャッチフレーズでテレビCMをつくるといわれています。改憲勢力によるこのくわだては、憲法や教育基本法を柱に国民の不断の努力で築かれてきた戦後日本の平和主義、国民主権、基本的人権など平和的・民主的な原理を全面否定する反動的な野望です。27回総会
 同時に、人権じゅうりん、過去の侵略戦争の正当化という、歴史の流れを「戦前」に引き戻す逆流であり、安倍首相の従軍慰安婦発言が米国でも大問題になったように、国民との矛盾を激化させずにおきません。
 くわえて格差と貧困の深刻化を前に、現状に不安を抱き、進路を模索する人、変革を期待する人が広がっています。さきの道府県議選、市議選では自民党の議席占有率が過去最低を更新しています。
 歴史を前に進めることを願うすべての勢力と、国政の焦点や切実な要求課題で、よりよい日本をめざす目標で対話を積極的にすすめましょう。そして3つの共同目標(平和・民主主義・生活向上)で一致するすべての個人・団体・政党が政治的立場のちがいをこえて連帯する革新懇運動の前進こそ、現状変革、国政革新の大道であることを広く語り、その共同を飛躍させましょう。
 ○革新懇運動の発展方向の一つとして、さまざまな課題にとりくむ他の運動・組織にたいして革新懇が3つの共同目標の角度から連携し、国政革新につながりうるエネルギーを全体的に発展させるという、「総合力」の発揮も重要です。切実な要求にもとづく住民運動や「豊かさ」を求める文化活動などに革新懇や会員が参加するのを始め、そうした行事を革新懇が後援したり、革新懇ニュースで知らせるとりくみは、信頼関係や共同を着実に発展させています。
(2)アメリカいいなり政治、歴史ゆがめる逆流許さず
 憲法改悪反対運動の前進に確信深め、さらなる共同を広げに広げよう

 改憲手続き法案は@最低投票率の規定がなく、国民の1割や2割という少数の賛成でも憲法を変えることができるA主権者で500万人にのぼる教育者・公務員の自由な意思表明を奪うB改憲派に有利な情報を垂れ流し、世論を誘導できるという不公正・非民主的な内容です。しかも国会論戦ではそれらの仕組みについての合理的な説明が完全に不能となっています。徹底審議の上、廃案にするのが唯一の道です。仮に法案が強行された場合も、9条改憲と地続きであることを国民に知らせきることなど、その発動を許さないとりくみをいっそうつよめましょう。
 日本国憲法は5月3日、施行60周年を迎えました。恒久平和主義という理想を先駆的に体現した憲法を擁護する声は大きな流れになりつつあります。読売新聞の世論調査(4月6日付)では「憲法改正」が3年連続で減少し、ことしは46%と過半数を割り込みました。9条改定反対は56%と国民の多数を占めています。憲法改悪反対の国民的共同をいち早く呼びかけ(03年9月)、憲法改悪反対共同センターを提唱するなど、憲法擁護の多数派形成にとりくんできた私たち革新懇の役割に確信をもとうではありませんか。27回総会
 憲法9条は国民の命がけの願いで、またアジア諸国民の多大な犠牲のうえにつくられました。9条を変えて海外で戦争ができる国にしようとする勢力の改憲策動を絶対に許してはなりません。「9条を守る」「憲法改悪反対」の一致点で、国民の共同を広げに広げましょう。
 世界は軍事力ではなく、外交こそが重要な意味もつ時代に
 「米軍再編」の名による基地強化や、海外で米国と一緒に武力行使することにふみだす集団的自衛権研究などの日米軍事同盟強化への固執は、21世紀の世界の流れにまったく逆行するものです。アメリカのイラク侵略戦争と占領支配は破たんし、北朝鮮問題で国際社会は平和的・外交的解決をもとめています。今日の世界は軍事力ではなく、外交こそが重要な意味をもつ時代となっています。日米軍事同盟強化への熱中やアメリカいいなり政治をやめさせるうえで、日米安保条約解消、国政革新の旗を一貫して掲げる革新懇運動の発展はますます重要です。
(3)日本経済を国民本位に転換し、暮らしが豊かになる日本を
 貧困打開、生活防衛の国民的運動を前進させよう

 いま、まじめに働いても生活保護水準以下の生活しかできない貧困層が400万世帯、10世帯に一世帯を超えて広がっています。病気や介護などがきっかけで、国民のだれにもおこりうる問題となっているだけに重大です。また、ことし6月からは住民税が所得税・住民税の定率減税の全廃により、大増税されます。7月の参院選の後は消費税増税もねらわれています。他方、バブル期を上回る空前の利益をえている大企業には大減税がほどこされ、一握りの大資産家への特別減税も温存されています。
 こうした雇用破壊や生活破壊を横行させる「規制緩和」、大企業減税、「成長」優先など、自公政権の新自由主義的な政策は全面的に転換されるべきです。「庶民に増税、大企業に減税」という「逆立ち」税制をただす運動、年金や介護などの社会保障を充実させる運動、人間らしい労働のルールをつくる運動をそれぞれ前進させましょう。
住民参加のまちづくり運動、 革新・民主の自治体づくりの前進を
 ○街のにぎわいの中心である商店街が衰退から抜け出せない状況が続いています。貧困と格差が広がり国民の消費購買力が伸びないことや、大型店の身勝手な出・退店などが原因です。
 地域の商店街がもつ住民生活への利便の提供、まつり、防犯、防災への貢献など、その多面的な機能は地域の共有財産です。商店街を守り、住みやすい住環境をつくるために、住民参加のまちづくり運動を発展させましょう。
 ○昨年、民主町政が誕生した京都・大山崎町では同地域の乙訓革新懇が、異常に高い水道料金問題でのシンポジウムや自治体の財政問題学習会などを開き、住民の共感を集めてきました。また、岐阜・恵那地域革新懇連絡会が参加する住民組織は市町村合併について住民500人近くからアンケート調査をおこなうとともに、7割近くが合併について「悪かった」とのべた結果をふまえ、今夏、「明るい恵那地域を考える集会」を計画しています。住民の切実な要求をとらえた多彩な活動を始め、草の根からの多数派形成を促す革新・民主自治体づくりを系統的に進めましょう。
食料と農業を守る運動の発展を
 安倍内閣の「農政改革」の中心、「品目横断的経営安定対策」はごく少数の大規模経営に支援を集中し、それ以外は対象にしないという、大多数の農家を農政から締め出す政策です。オーストラリアとの経済連携協定(EPA)も農産物貿易の関税を撤廃し、日本農業に壊滅的な打撃を与えるものです。政府による米価の下支え、自治体による地域特産物の価格保障の対策など、国内農業を維持・発展させることは食料の安定供給はじめ、地域経済や国土・環境にとっても重要な役割をもっています。食料と農業を守る国民的運動を発展させるときです。
(4)憲法にもとづいて一人ひとりの子どもが大切にされる教育を
 教育関連三法案は、文部科学大臣の教育委員会への関与など国の権限をつよめる、管理職(副校長や主幹教諭など)を増やしたり、教員の免許を更新制にして教員への統制をつよめる、義務教育の目標に「愛国心」を明記して子どもの内心の自由を侵すなど、改悪教育基本法を具体化するための法案です。教育に競争原理を徹底させ、上からの管理もつよめる政府の教育再生会議の動きも、国民との矛盾を広げざるをえないものです。
 いま教育に必要なのは、30人学級を始め少人数学級を実現したり、教育の条理に沿う学校運営や地域の創意工夫が生かされるようにすることです。憲法にもとづく教育を国民全体で討論し、つくりあげていきましょう。
(5)暴力とテロの根絶を
 長崎市長銃殺事件は自由と民主主義、生命の尊さへの凶暴な挑戦であり、きびしく糾弾されなければなりません。事件の厳正な捜査を求めるとともに、暴力とテロの根絶、真に民主主義が尊重される社会の実現にいっそう力をつくそうではありませんか。
(6)政党状況の真実の姿を広く知らせよう
 ○民主党が自民党との「対立軸路線」なるものを宣伝していますが、派遣労働を原則自由化した法改悪や介護保険法改悪に賛成したことなど、これまで自民党と悪政を競い合ってきたことへの反省も是正もないままのものです。改憲手続き法案でも同党は与党案と基本的に変わらない修正案をだして成立させようとしました。その関心が「政権の争奪」だけにあり、政策の基本に違いがないからにほかなりません。憲法改悪など悪政の共同執行者、公明党の創価学会と一体となった異常な反共攻撃も、日本共産党だけの問題ではありません。憲法の政教分離を犯す問題であることはもとより、日本の民主主義に向けられた攻撃です。
 こうした政党状況はじめ、日本共産党と無党派との共闘を軸に国政革新の革新懇運動が前進していることなど、日本政治の真実の姿を広く知らせる活動はますます重要です。
 ○きたる参院選で、革新懇は3つの共同目標の実現をめざす勢力の大きな躍進を期待するものです。憲法改悪勢力にきびしい審判をくだすこと、貧困と格差問題を打開することは国政の待ったなしの課題です。あわせて憲法を守り生かす民主連合政府への展望が切り開かれることを切望するものです。

3、革新懇組織のいっそうの拡大、発展を
(1)小・中学校区の地域革新懇、多様な職場革新懇づくりに思い切って力を入れよう

 ○自治体レベルにとどまらず小・中学校区で結成された革新懇が会員を広げ、全住民を対象に活動をすすめていることは注目に値します。小学校区の山梨・大泉革新懇は会員が結成当時から5倍に増え、無党派の人々が3分の1を数えます。ここで重視される活動の一つは、イラク戦争や憲法改悪など国政の焦点をわかりやすく解明した宣伝ビラを地元の一般紙1100部に折り込み、革新・民主の世論を喚起するとりくみです。思いがけない住民からも「このビラ、とっておきます」との共感の声が寄せられています。折り込み費用約4000円は「小さな網の目でこそできる負担」といわれています。革新懇運動の魅力を知らせて事務局の担い手も広げ、小・中学校区革新懇づくりに思い切って挑戦しようではありませんか。27回総会
 職場革新懇も、ハイタク労働者を対象に結成された石川の革新懇は世界の流れや兼六園の成り立ちの学習会をおこない、「有意義だった。革新懇を結成したからこそできた」と確信を深めています。企業別、産業別、地域横断型、私鉄沿線型など、それぞれにふさわしい形態で職場革新懇をつくり、労働者のなかに国政革新の共同を広げましょう。
 また革新懇運動を自覚的に進める「全国革新懇ニュース」読者も増えています。昨年秋、全国革新懇に購読を申し込んだ千葉の読者はそのご「革新懇に入りました」と名乗るとともに、「憲法のぼり」を注文し自宅前に掲げています(「しんぶん赤旗」4月30日付「読者の広場」欄)。
 ○11月17日(土)、18日(日)、石川県金沢市で地域・職場・青年革新懇全国交流会が開催されます。革新懇運動の値打ちを学ぶ学習会や「革新懇学校」の開催、地域・職場・青年革新懇の新結成を進めつつ、新しい参加者も迎えて大きく成功させましょう。
 ○日本の進路を考え、革新懇運動の広がりを伝える「講演と音楽のつどい」の各地での開催と成功にも引き続き努力します。
(2)会員一人ひとりのエネルギーを生かそう
 会員一人ひとりのエネルギーを生かすとりくみは、革新懇運動の豊かな発展にとって必要不可欠です。山形・西置賜革新懇は会員の「なんでも語る座談会」を開き、日頃思っていること、困っていること、やりたいことなどを交流しています。また代表世話人や事務局の会議では情勢討議に時間をかけ、本質を深くつかんで方針をたてることを重視しています。思想や政治的立場の違いを超えて結集する統一戦線組織にふさわしい民主的運営をより発展させましょう。
(3)賛同団体との共同つよめ、活動を多彩に発展させよう
 団体が革新懇運動に参加することで、その組織力や影響力が革新懇運動に生かされています。民医連が賛同する福岡市博多区革新懇では憲法改悪反対の街頭宣伝、市立病院移転問題を考える行事などに民医連の役員や青年職員がすすんで参加し、活気あるとりくみとなっています。また、札幌・中央区革新懇は「重税問題は地域住民全体の問題」と、民商の重税反対統一行動の後援団体に加わり、喜ばれています。団体の力をいっそう結集し、活動を多彩に前進させましょう。
(4)若い世代への働きかけ、青年革新懇づくりを重視しよう
27回総会  若い世代はいま、正規雇用の3分の1という低賃金を押しつけられる非正規雇用、就職難、高学費など、自民党政治の害悪を集中的に受けています。同時に、まちづくり運動への参加や中古品販売規制への反対運動などにしめされるように、社会に声をあげ、立ち向かう新しい流れが生まれています。若い世代とともに現状の打開にとりくみ、人間らしく生きる社会をきりひらくことは、未来ある日本をめざす革新懇運動にとって大事な課題です。
 神奈川の青年革新懇は原発ツアーや基地ツアー、その事前学習などにとりくみ、好評を博しています。この特徴の一つは労組青年部と学生が協力し、日本共産党県委員会が系統的に援助するという「労・学・党の共闘」にあります。また、昨年の全国交流会・青年分散会で参加者から「青年革新懇をつくりたい」との感想がいくつも出されたように、革新懇の値打ちが知らされるならば、革新懇運動に希望をもつ青年は大勢います。青年革新懇が広がりをもつ運動であることを明らかにした志位和夫共産党委員長の青年との対話(ブックレット『世界の流れと革新懇運動の未来』収録)も参考に、若い世代への働きかけ、青年革新懇づくりをいっそう重視しましょう。
(5)「全国革新懇ニュース」300号をダイナミックな拡大運動で迎えよう
 ○「全国革新懇ニュース」は希望ある日本への共同を広げ、勇気を運ぶ新聞です。紙面に登場して感動を広げた知識人や文化人がそのご、憲法や教育問題の全国革新懇アピールにも賛同して「日本の知性ここにあり」の姿をしめしています。
 「全国革新懇ニュース」読者の拡大に意欲的にとりくむ革新懇も増えつつあります。愛知・いわくら革新懇は「革新懇の活動が民主連合政府づくりであることをいつも意識してもらうために」と、毎月10部以上の拡大をめざしています。神奈川・茅ヶ崎革新懇は「9条の会」賛同者や保守系の市議、民間病院管理職などに購読をすすめ、読者数200人を達成しました。27回総会
 「全国革新懇ニュース」の普及活動に自主目標ももってとりくみ、来年6月の通算300号をダイナミックな前進で迎えようではありませんか。
 ○都道府県革新懇ニュースに多彩な人々が登場するケースが増えつつあります。革新懇の市民権を確立する貴重なとりくみです。地域・職場革新懇のニュースも自治体の財政分析など創意工夫を発揮した紙面づくりが進められています。それぞれ豊かにいっそう充実させましょう。
                        ◇
 歴史を切り開く力は国民の不屈のたたかいです。本運動方針を力に、国政革新の事業に新しい記録を刻む努力を一段とかさねようではありませんか。

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