全国革新懇第29回総会・運動方針
2009年10月24日
  1、革新懇運動30年の前進に確信深め、さらなる発展を草の根からめざそう
 希望ある新しい日本への大道に
 2カ月余で迎える2010年は、革新懇運動の誕生から30年目の年です。また、全国革新懇の「3つの共同目標」の一つ、日米安保条約問題でも、1960年の改定から50年になります。革新懇運動がこの節目にあたり、到達点に確信を深めるとともに、日本政治の歴史的激動にふさわしい規模と内容での発展が求められていることは、まちがいありません。29回総会
 革新懇がその運動を始めたのは、1980年のことです。政界の動向に左右されない国政革新の運動が重要であることを先見的に見抜いた多くの無党派の個人・団体が、政党としては唯一革新の立場を堅持する日本共産党とともに、生み出した統一戦線運動です。
 その後、日米安保、沖縄米軍基地、憲法、海外派兵、小選挙区制、コメと農業、環境、「豊かさ」、消費税、首都移転など、当面する平和、民主主義、生活の諸問題で多彩な運動と共同をすすめてきました。とりわけ、小選挙区制や憲法改悪問題では反対の声を草の根に広げるうえで、革新懇運動が貴重な役割をになっています。また、「くい1本打たせていない」と、今月9日、沖縄・名護市辺野古で開始から2000日を迎えた米軍新基地反対の座り込みも、全国革新懇が1997年12月、同市で開催した基地問題シンポジウムの成功(会場からあふれる1000人が参加して新基地建設の不当性や危険性を明らかにし、2週間後の市民投票では新基地反対が過半数を占めた)と結びついたたたかいです。
 全国革新懇の構成員は450万人を数えます。組織に未参加の知識人や文化人、経済人、市民運動家なども、革新懇の呼びかけに応じて平和、民主主義、社会進歩の声をあげ、運動に参加しています。草の根の地域・職場・青年革新懇はこの20年間に倍加し、795を数えています。その発展の可能性は、無限大といっても過言ではありません。「全国革新懇ニュース」は同期間に約3倍となり、過去最多の2万6495部に到達しています。登場者の一人、ある文化人からは読者の反響にふれて、「日本人の良心がここにあることを知り、大変に勇気づけられました」との礼状が届けられています。
 革新懇運動の30年の道のりは、希望ある新しい日本をきり開く大道として着実に前進してきたことを、事実をもって浮き彫りにしています。
雇用・社会保障・核兵器廃絶などで新しい前進
 革新懇運動の値打ち、生命力は、前総会からの1年4カ月間にも示されています。
 各地の革新懇は、国民の切実な要求である後期高齢者医療制度の廃止を求める街頭宣伝や学習会、「雇用守れ」の大企業や自治体への申し入れ、「派遣村」活動への参加、市民病院など公的医療を守る運動、子どもの貧困を考えるフォーラム、食の安全・日本農業再生のシンポジウム、消費税増税反対の街頭宣伝、地球温暖化問題の学習講演会などをすすめています。29回総会東京・北区革新懇の野中晴さんは「年越し派遣村」にボランティアで参加。「100円のカップラーメンを泣きながら食べた青年の姿に、涙があふれた」との報告には、「『派遣切り』の先鞭をつけたトヨタの取締役報酬は平均1億2000万円。こんな弱肉強食社会でいいのだろうか。いまこそ国民を大切にする政治を」との指摘が寄せられています。
 平和をめぐる取り組みでも、憲法改悪反対の引き続く街頭や門前での宣伝署名活動、インド洋派兵延長やソマリア沖派兵への抗議活動、平和行政推進の自治体申し入れ、核密約破棄の宣伝行動などを展開。憲法改悪反対の署名活動では駅頭やスーパー前で5年9カ月、1549回取り組み、1万筆を集約した愛知・春日井革新懇の”快挙”も生まれています。
 また、この間、特筆されるべき活動では核兵器廃絶の取り組みがあります。核兵器廃絶をめぐる国際政治に前向きの変化が生まれるもとで、全国革新懇は6月、アピール「核兵器のない世界めざす歴史的なチャンス。国際署名を国民的規模に広げよう」を発表。草の根からの署名活動にいっそう弾みをつけています。続いて各界に呼びかけたアピール「私たちは核兵器のない世界を望みます」には、広島市の秋葉忠利、長崎市の田上富久の両市長、ノーベル賞受賞者の益川敏英さん、「年越し派遣村」村長の湯浅誠さんなど58氏が賛同。核廃絶の世論を喚起しています。また全国革新懇作製の核兵器廃絶ポスターは、写真家・土門拳氏による原爆ドームの写真も好評を得て、9400枚を超えて活用されています。
 自公政権退場に貢献
 革新懇運動の前進は、国民の声で政治が動く新しい情勢とも結んで、総選挙での自公政権退場という日本の政治史に特記される重要な政治転換に反映しています。革新懇運動のさらなる前進、飛躍は、「国民が主人公」の新しい日本をきり開く確かな推進力です。いっそう力をつくそうではありませんか。

2、時代がうねる情勢と革新懇運動の意義
(1)「自民党政治退場」の条件生かし、革新懇「2つの任務」の全面的実践を

 時代がうねっています。貧困や格差が社会を覆うなか、総選挙で国民は「財界・大企業中心」「軍事同盟中心」の2つの悪政をすすめてきた自公政権を退けました。「主権者が国のあり方を決める」審判がくだされたのです。全国革新懇の国政革新の「3つの共同目標」――@国民本位の経済で豊かな暮らしをA憲法を生かし、民主主義の発展をB日米安保条約をなくし、非核・非同盟・中立の日本を――が現実的課題になりつつあるといっても過言ではありません。
 民主党を中心とする新政権は、「自民党政治を根底から転換」(3党連立政権合意)を掲げており、これまでの自公政権とは違う「過渡的な性格」をもつ政権です。高齢者に差別医療を押し付ける後期高齢者医療制度や、障害者に重い負担を強いる障害者自立支援法の廃止、生活保護の母子加算の復活、地球温暖化対策の温室効果ガス「25%削減」、核密約問題の解決などを打ち出しています。いずれも国民の切実な願いに応える、また私たちのこれまでの運動を反映するものです。
 同時に新政権は「緊密な日米同盟関係を」と、平和の課題で日米軍事同盟路線をすすめています。民主党の政策には多くの民意を切り捨てる衆院比例定数80削減、庶民犠牲の消費税増税など、民主主義・国民生活破壊の企てもあります。また、財界や大企業からは、温暖化対策の目標や労働者派遣法の抜本改正への異議、消費税の増税、「憲法改正」などが唱えられています。
 革新懇の「2つの任務」――@当面する切実な要求の実現に全力をあげるA日本の政治を国民本位に変える力を大きくする――の全面的実践はいよいよ重要です。この要求実現や国政革新の取り組みは、大変動の政治情勢とも結び、国民の主権者意識をいっそう深めるものでもあります。
(2)雇用、社会保障、環境などを守る国民運動、こん身の力入れてすすめよう
 失業者数が増加の一途をたどり、雇用問題は深刻さが増しています。8月の完全失業率は5.5%で過去最悪の水準です。財界の要求に従った労働者派遣法などの「規制緩和」、庶民増税、社会保障の切り捨てなどにより、不安的雇用や貧困が深刻な社会問題となっているのです。29回総会子どもには教育格差にとどまらず、「病院に行けない」など健康格差が広がっています。また、日本の企業の99%、就業人口の約8割を占める中小企業も、倒産が続出しています。農業をめぐっても、農業経営の危機、食料自給率の異常な低さが続いています。  こうした現状の打開をめざして政治をさらに前にすすめるうえで、次のような課題を掲げる革新懇運動、労働組合・民主団体・各種共同組織による国民運動の発展はいっそう重要です。
 ・雇用では、大企業の無法な「非正規切り」などをやめさせること、失業者への生活援助を強化すること、労働者派遣法の抜本改正はじめ人間らしく働けるルールをつくることなどです。
 ・社会保障では、医療崩壊の危機を打開すること、最低保障年金制度をつくること、安心してかかれる介護制度への抜本的見直しをすすめること、障害者自立支援法を廃止することなどです。 ・子育て・教育では、仕事と子育てが両立できる社会にすること、子どもの人格形成へ豊かな教育条件を実現すること、高校授業料の無償化や大学の高学費の軽減をすすめることなどです。
 ・中小企業・地域経済では、緊急の休業補償・直接支援をおこなうこと、中小企業予算を増額すること、地域に密着した生活・福祉型公共事業で仕事と雇用を生み出すことなどです。
 ・農林漁業では、安心して農漁業にはげめる価格保障・所得補償の実施、農業とコメを破壊する日米FTA(自由貿易協定)への反対、食料自給率の向上、「食の安全」などです。
 ・地球温暖化では、最大の排出源、産業界に対し、公的削減協定などを実施すること、自然エネルギーの活用を拡大することなどです。
 ・国会の国政調査権や行政監督権に障害をつくる「国会改革」、少数政党を国政の舞台から締め出す比例定数削減、民意を反映しない小選挙区制に反対することなどです。
(3)住みよいまちづくりをいっそう追求しよう
 大企業中心の自民党政治による地域の疲弊化がすすむなか、「住みよいまちづくり」「地域の活性化」は、住民の切実な願いです。29回総会このことは、同課題を追求する地域革新懇に幅広い無党派や保守の人びとが結集していること、全国革新懇代表世話人とともに自治体首長、JA、商工会議所の役員がパネリストを務めた地域経済再生フォーラムの開催経験などにも示されています。また、「まちづくり」重視の活動は、当初、革新懇に距離をおいていた首長が総会へのメッセージ、要望書への丁寧な回答、懇談への協力と、”変化”するケースを生みだしたり、市長選での市民派市長の誕生などにも結びついています。
 革新・民主自治体づくりと合わせて、住みよいまちづくりの活動をいっそう発展させましょう。
(4)憲法改悪反対、核兵器廃絶、安保解消の運動を飛躍させよう
 ○2010年5月、自公両党によって07年に強行された「改憲手続き法」=国民投票法が施行されます。民主党の総選挙マニフェストも憲法9条擁護になんらふれることなく、「自由闊達な憲法論議を」と記し、改憲論議を呼びかけています。29回総会しかし、憲法改定が国民から出発した要求ではない以上、改憲路線はゆきづまりに直面せざるをえません。幅広い人びとが参加する「9条の会」(約7500)を引き続き大いに広げましょう。憲法改悪反対の国民的共同を2003年にいち早く呼びかけ、「9の日」行動などに粘り強く取り組む革新懇も、憲法改悪反対共同センターとともに運動の一翼をいっそうにない、憲法を守り生かす世論を発展させましょう。
 ○いま世界では核兵器をなくす流れが広がっています。オバマ米大統領の4月のプラハでの「核兵器のない世界を追求する」演説に続き、9月には国連安保理が核軍縮を促す決議を初めて採択しました。この流れの源泉が、日本の原水爆禁止運動や世界の反核・平和運動の前進にあることは明白です。鳩山首相は核兵器廃絶の先頭に立つとの言明通り、「核兵器廃絶を主題とする国際交渉の開始」を世界に呼びかけるときです。私たちも来年5月のNPT(核不拡散条約)再検討会議で核兵器廃絶の明確な約束を再確認することを求め、署名運動やポスター宣伝などを広げに広げましょう。
 ○イラクやインド洋、ソマリア沖と、自衛隊の海外派兵が続くなかで、「自衛隊が海外へ行くのが当たり前の社会には絶対にさせてはならない」と、同路線の大本である日米安保体制に、これまでになく再考と批判の目が向けられています。
 安保解消の事業は、アジアや世界で平和的環境を構築する課題と結びついています。日本が軍縮および「非核の日本」への道を進むならば、アジアの軍拡路線に影響を与えることは必定です。米軍普天間基地の無条件撤去などはアジアに平和の連鎖を築くうえでも重要な課題です。
 安保解消後は、対等・平等・友好の日米関係という展望も開かれています。基地撤去、軍事費削減などの運動と、安保解消の運動の双方をいっそう発展させましょう。

3、革新懇組織のいっそうの拡大、発展を
(1)「自公政権ノー」や新しい政治探求の人々とともに革新懇づくりを

 総選挙後、政党配置が新しい状況となり、政治に対する国民の意識動向に大きな激動が生まれています。この条件をくみつくし、29回総会暮らし・平和・民主主義の要求を本格的に実現しようとすると、「国民が主人公」の民主的連合政権と国民的共同が必要であることを広く知らせるときです。
 さきの総選挙で「自公政権ノー」を表明した国民や新しい政治を探求する人びとは、「主権者としての思いをより表に現す場」=革新懇にだれでも参加する土台があります。また、総選挙では私たち自身、それぞれの立場からたたかい、各界各層との対話、交流を広げています。
 働きかけ次第で、革新懇づくりが響き合って進む条件が増しているのです。前総会の運動方針「何人からでも活動しやすい形態で結成を」もいっそう生かして、国民の目に見える革新懇へ、その結成と拡大の取り組みを強化しましょう。ブロック別交流会の開催も検討します。
(2)職場革新懇と青年革新懇の結成、取り組みを特段に重視しよう
 ○職場革新懇は、職場や労働者のさまざまな要求を「3つの共同目標」の角度から取り上げ、共同を広げています。最近も各地の職場革新懇の取り組みは、「派遣切り」にあった労働者への激励、労働者派遣法抜本改正の門前宣伝、日本経済の行方を問う学習会、企業の合併・統合問題についての意見交換、消費税問題の学習会、裁判制度を考える集い、「蟹工船」の朗読を聞く会、基地めぐりウォーキング、憲法改悪反対の門前宣伝など、実に多彩です。
 また、政治的共同組織として、労働組合や雇用形態が違っても、あるいは労組未加入者も管理職も参加できる組織です。山梨の教育革新懇は、小・中・高・大の教職員が職場や労組の違いを超えて、「子どもに真理を。職場に民主主義を」と結集しています。労働組合にとっても職場に革新懇があると、労働組合運動を広げ、強めることに結びつきます。
 職場革新懇を全都道府県に結成することをめざし、全国革新懇と全労連による「職場革新懇運動の前進をめざすつどい」の開催などを検討します。
 ○いま若い世代は、生活苦や就職難に直面し、それが「自己責任」であるかのような宣伝も受けています。この苦境から脱却するうえで政治の責任は重大です。29回総会この状況下、「革新懇の三つの共同目標の社会が実現すると、『こんなに苦しまなくてもいい』と確信がつかめて前向きに生きられる」(香川青年革新懇)と、青年に生きる展望を示す革新懇運動の魅力が語られています。
 また青年革新懇は、「『党派を超えて』の言葉があるので、友だちを誘うときに楽に話せる」(同前)と語られるように、よりよい日本を願う青年だれもが参加できる組織です。
 今回の青年のつどいには、京都の青年や民青同盟が「革新懇の活動を知ろう・学ぼう・交流しようツアー」を呼びかけて参加します。革新懇運動の魅力を青年に意識的に知らせ、全国各地で青年革新懇の結成と運動をすすめましょう。
(3)都道府県革新懇の意欲的な活動を
 埼玉革新懇では県事務局(3人)や役員が中心となり、「全国革新懇ニュース」読者の旺盛な拡大(前総会比150%増、421部増)、県ニュースの増ページ化、地域革新懇づくりへの系統的な援助、大規模な「つどい」の連続開催などをすすめています。「県革新懇みずからが主体的な努力を」との位置付けで取り組まれ、勢いのある革新懇運動をつくりだしています。
 また、新潟県革新懇は、県ニュースに登場した無党派の知識人や市民運動家などに働きかけて、世話人に次々迎えています。その一人は、「自分の子どもに銃をとらせてはならない」と語り、思想等に関係なく、平和などへの願いで力を合わせる革新懇運動の意義が浮き彫りとなっています。革新懇運動の草の根からの前進、および全国での活性化には、都道府県革新懇の役割がますます重要です。
(4)賛同団体・政党といっしょに革新懇運動を強めよう
 「国民にあたたかい日本」とその共同をめざす革新懇運動は、展望と勇気のわく運動です。ある労働組合では、「青年組合員が青年革新懇に参加して元気になった」と、「全国革新懇ニュース」を全執行委員分購読しています。また、7月に再結成された大阪・交野革新懇では、共産党の地区委員会と居住支部が無党派の人びととの共同に尽力。奈良では県革新懇と共産党県委員会とが一体となって革新懇づくりをすすめ、この2年間に3倍に増えています。
 賛同団体・政党の組織力、影響力をいっそう生かし、革新懇運動を規模・質ともに前進させましょう。
(5)「読み応えずっしり」の「全国革新懇ニュース」、系統的に普及しよう
 「全国革新懇ニュース」は前総会以降も毎月増紙し、1791部増えています。
 読者拡大は革新懇の市民権の拡大にも結びついています。その先進的組織の一つ、神奈川・茅ヶ崎革新懇は、読者(312部)を県議・市議・元市議(計18人)、市の管理職、民間企業役員、29回総会医師、文化人など各分野に広げています。手配りによる低額の購読料(年1000円)も読者拡大に結びついています。その”影響力”は、来春計画する大型講演会を、市や教育委員会、商工会議所が後援したことにも反映しているといわれています。
 「わずか4nの月刊紙ですが、毎号毎号、平和の思いがずっしり。読み応えもずっしりです」(長野の上原忠夫さん)と、共感の声が相次いで寄せられる「全国革新懇ニュース」。読者の新しい峰をめざして、目的意識的に、日常不断から普及しましょう。
                      ◇
 革新懇運動は日本の未来をになう潮流です。どんな困難があっても国政革新の目標を掲げ続けること、「一致点での共同」を軸に自発性や創意性が輝く組織運営をすすめることこそ、国民の利益にかない、国民から信頼される流れです。希望ある日本を願うすべての人びとに、革新懇運動に参加されることをあらためて心から呼びかけようではありませんか。


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